サーチュイン遺伝子群
レオナルド・ギャランテ博士が酵母菌の
寿命にサーチュインという遺伝子が関係することを
発見しました。
サーチュインという遺伝子群は、遺伝子の動きを
静かにしておく役割をもっています。
遺伝情報が書き込まれているDNAには、
ヒストンというタンパク質が抱きつくように巻き付いています。
それで、遺伝子の重要な情報を保護しているのです。
ギュッと強く抱きついている部分の遺伝子は、
静かな(サイレント)状態になり、
一方、抱きつきを緩めた部分にある遺伝子は、
解放されて、活発に働き始めます。これを
遺伝子が発現するといい、つまり遺伝子のスイッチが
ONになることです。
歳をとるとまれに
不必要な遺伝子が発現してしまうことがあり、それで
ガンに結びついたりします。これも、
ヒストンの抱きつき状態が変化し、不必要な発ガン遺伝子
が発現したり、抑制遺伝子を働かなくしたりしてしまうからと
考えられています。
このヒストンの働きを左右しているのが、
サーチュイン
と呼ばれる遺伝子群なのです。
サーチュイン遺伝子は活性化すると
寿命がのびることがわかりました。つまり
長寿遺伝子なわけです。
そして、
サーチュインは
カロリー制限という生活習慣によって
スイッチがONになる
ことが証明された、世界で初めての
長寿遺伝子なのです。